しんしんの雑記帳

みんなのハートをキャッチだよ!

様々な断片ーライフ、写真、パフォーマンス、感覚

生き方という主題-「生/ライフ」(小倉2015)
  • 丸ごとの個人の主観的意味の探求。現代社会における「生きづらさ」の偏在という背景。
  • ライフストーリー、アクティブインタビュー、対話的構築主義

 

身体経験としての「生命」、日常の活動経験としての「生活」、人生という時間経験としての「生涯」といった局面が互いに関連しあうような現象に、包括的にアプローチしていこうとする問題関心が浮上してきた...。(小倉2015:172)

 

 

フォトボイス (武田2015)
  • 研究の「参加者みずからが撮影する写真とその写真に関する撮影者の語りからなる作品を通して、コミュニティの人たちの声を社会に訴え、作品に関する参加者間の話し合いによって問題解決のためのアクションを促す」という手法(武田 2015:140)。
  • コミュニティを認識し、表現し、向上していくプロセスが重視される。聞こえない人たちの声を届ける。自己の成長を促す。生計手段を提供する。
  • エンパワーメント。アドボカシー。社会変革。

 

パフォーマティブ社会学(岡原他2016)
  • パフォーマンス性:身体性(当事者の身体的な存在)、共同性(当事者同士が関わりつつ共同していること)、現場性(その現場を離れて一般化されないこと)

 

「表現の重点は『表象の真正さ』の正確な追求やその『正しい』伝達(知識の正確な伝達)なのではない。むしろ、『行為=体験』性が生起する場としての身体に働きかけ、非当事者の実感の及ぶ範囲を押し広げ、そこから当事者体験への新たな関わりを生み出していくような、パフォーマンス的な知の表現にこそその重点がある」(岡原他2016:76)

 

自叙的写真法から自叙的イメージへ (安川2009)
  • 自叙的写真法:私は誰かという問いへの回答を写真撮影で行わせて、得られた写真から被験者の自己概念の読解を図る研究手法(ibid)。

 

わたしたちそれぞれの環境は行動関連的に選択的に編成されていて,この選択的編成に個々人の自己概念がかかわっている(環境の行動関連的選択的編成のしかたは「指向性」と呼ばれ,編成された環境は「心理的ニッチ(棲処)」と呼ばれた).写真は,こうした自己概念関連的な志向性/心理的ニッチの具体的な表現像であるとされ,その分析・考察はおもに被写体の類型化/分類にもとづく量的内容分析によって行われてきた. (ibid)

 

  • 自叙的写真法の難点
  1. 視的イメージを取り巻く制約も大きい
  2. 写真は本当に回答になっているのだろうか
  3. 写真が自己概念とのかかわりにおいて生成されるという前提は妥当なのか
  4. 「写真が何事かを表象する」という誤謬。写真は出来事を写し取るわけではなく、そのように思えるのは撮影者または受容者の想像力/物語力の賜物である*1

 

  • 自叙的イメージ研究:「自叙的であれという制約のもと,視的イメージの作成行為において視的経験がどのように主題化されるか,いわばフィールド実験的に事態の推移を見据えよう」という研究手法(ibid:63)。
  • 自叙的の含意:「『わたし』は、回答を求める問いの焦点ではなく,むしろ撮影に附した制約―単に『生活世界を撮影せよ』では広がりすぎるだろう撮影行為への“重し”―である.狙いは、視的イメージ媒介的な自己言及をきっかけとして活性化されることから垣間見えることを期待される,視的経験のあり方にある.」(ibid)

 

被験者たちがそれぞれの生活世界で自己言及的に撮り,選択し,説明した写真は,日常をそのまま切り取ったものというよりは,むしろいびつな活性化産物―撮影行為なくしてはありえないもの―である.いびつさは被験者自身を,それぞれなにがしかの気づきへと促す.そしてこのいびつさを,自己言及のペグを作ることで補正可能にしておく,それが自叙的イメージ研究の眼目である. (ibid) 

 

 

アートベース・リサーチart-based researchの四つの基準(Bagley 2008:68)
  • 解明効果Illuminating effect-何が気付きだったのか明らかにし、劇中で描かれたものにより鮮明な焦点を当てる能力
  • 生成性Generativity-更なる新たな問いを生む能力
  • 的確性Incisiveness-しっかりと問題に焦点を当てる能力
  • 一般性Generalizability-研究テキストで扱われなかった現象への関連性

 

 

感覚的な論文sensuous writingsの4つの戦略(Waskul et al. 2012:76)
  • 不確定性Indeterminancy
  • パフォーマンス性Performativity
  • 偶有性Contingency
  • 発現性Emergence

 

 

 

視覚社会学*2

・現代の日常生活のドキュメンタリー的研究

・社会の芸術的・通俗的な視覚表象の解釈的分析

・広告等、視覚イメージの商業利用がもつ、メッセージ、意味、社会的影響の研究

・集積された視覚イメージを社会と文化に関するデータ・ソースとみなす分析

・日常的場面におけるイメージ生成(写真やビデオ)の社会的目的・意味の研究

・etc.

 

 

・文献

岡原正幸・高山真・澤田唯人・土屋大輔,2016,「アートベース・リサーチ:社会学としての位置づけ」『三田社会学』第21号:65-79

小倉康嗣,2015,「生/ライフ:『生き方』を主題化し表現する」藤田結子・北村文編,『現代エスノグラフィー:新しいフィールドワークの理論と実践』,新曜社

武田丈,2015,『参加型アクションリサーチ(CBPR)の理論と実践‐社会変革のための研究方法論』

安川一,2009,「視的経験を社会学するために」『社会学評論』 60巻1号57-72

Bagley, Carl. 2008. “Educational Ethnography as Performance Art: Towards a Sensuous Feeling and Knowing.” Qualitative Research. Los Angeles: SAGE Publications. Vol.8 (1):53-72

Waskul, Dennis. D., Vannini, Phillip. & Gottschalk, Simon.2012. The Senses in Self, Society, and Culture: A Sociology of the Senses. New York: Routledge.

 

*1:写真の光景理解可能性についてはJayyusi(1992)の議論を参照されたし。

*2:安川一,「視覚社会学http://ofc-hjm.misc.hit-u.ac.jp/VisSoc/VisSoc.html